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やりたくないって言えること

ある昼時、スタッフが朝から利用している子たちと

お昼ごはんの準備をしようと声を掛けました。

「Мくん、テーブルを拭いてくれる?」

高校生のМ君は布巾を持ちながら

「おれ、こき使われてる」と一言。

お願いしたつもりのスタッフも

びっくりして固まってしまいました。


終わりのミーティングでそのスタッフから

「あの時どのように返せば良かったのでしょうか」と

落ち込んだ様子で相談がありスタッフで話し合いました。


「なぜこき使われているという言葉が出たと思う?」

「意味が分からずに使っているのでは?」

「誰かにお願いされた経験がすくない?」

「この言葉で相手がどんな気持ちになるかわかっていないのかも」

様々な意見が出ました。



以前のことで、

真面目な性格で断ることが苦手な彼は

勧められた食べ物を無理に食べようとして

腹をくだしてしまったことがありました。

なぜそうしたのか聞くと、

「・・・だって、断ると印象が悪くなるじゃん」の一言。



スタッフ間で話合った結果は、

「やりたくないけど、お願いされて断れなかった気持ちを吐き出したのではないか」


いつも生活の中で、本人が納得できずに

仕方なくやらされていることが沢山あったのかもしれません。

「印象が悪くなるから」

「嫌われたら困るから」

頼まれると断りにくい・・・

嫌だけど仕方ない・・・・

いつも我慢してやっているけど、今回はたまたま言葉が出てしまった。


「やりたくないって言ってもいいんだよ」

そんな風にМ君に言えたら良かったねとスタッフと話しました。


特性を持っている子どもの中には

相手の気持ちを汲み取ることが苦手だったりして

勘違いからいざこざが起きてしまうことがあります。

また、話してる言葉や内容の意味が理解できずに不安になってしまうことも。


日々の何気ない小さな一言、

聞き流そうと思えば、いくらでも聞き流してしまうことができます。

でも、その小さなところに目を向け

今の子どもたちの状態を知り、気になるところを

一つ一つ丁寧ににアプローチすることで

不安を取り除いていくことができるのではないか。

不安から「大丈夫」の安心にに変換できたとき

子どもたちは自信をもって、

大きく伸び、成長していけるのだと信じています。


「やりたくないって言える環境」「やりたくないという選択を保証してあげること」

これってとても大切なことなんだと教えられました。

М君が気軽に言える関係性をしっかりと構築できるように

支援していきたいなと思いました。


羊毛フェルトで作りました

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